Feature - 特集 vol.11
ポスティングの仕組み【取材編】
取材から見えた
ポスティングの
リアル
それは「歩く仕事」ではない。
「読む仕事」だ。
都市が未来へ動き出す場所、新宿区西新宿。
その中心にオフィスと営業所を構える、株式会社トーカンエクスプレス。
今回、取材協力をいただいた、「おせっかい品質で販売促進をサポート」してきた
設立22年目を迎えたポスティング会社だ。
歩き始めて17年目。
男は街を歩き続けてきた。
配布員として始まり、チェックマン、営業所リーダー、そして管理者へ。
その歩みは、ただ歩く仕事ではない。
街を読み、人を読み、状況を読む“判断の仕事”。
営業部マネジャー ・ 佐々木 和也。
世間が抱く“アルバイト”のイメージとは違う。
この世界には、月に100万円近く稼ぐ配布員もいる。
彼の語る「現場のリアル」は、ポスティングの価値を根底から覆す。
配布の品質は
“判断力”で決まる。
佐々木さんは言う。
「配布は、地図を持って歩くだけの仕事じゃないんです」
エリアには“稼げる場所”と“時間がかかる場所”がある。
スタッフのモチベーションを保つために、あえて“ご褒美エリア”を後半に配置する。
天候が悪ければ出勤率は下がる。
マンションや集合住宅には、時間帯や管理体制によって配布ルールが異なる場所もある。
禁止物件は地図にマーキングし、番地順に配ることで“抜け漏れゼロ”を徹底する。
判断の積み重ねが、品質をつくる。
配布の準備は“情報戦”
配布の起点は、
営業が作る「指示書」。
- どのエリアに
- どのくらいの枚数を
- どの優先順位で
- どんなペースで
- どんな注意点で
配るべきか。
お客様の意図を“現場が理解できる言葉”に翻訳する。
お客様から引き出した細かな要望や過去の反響結果など、
お客様の想いや意向を的確に伝え、配布効果を最大化していく。
これが、トーカンエクスプレスの強みだ。
歩くことで感じとる
“街の温度”
地図には載らない生活導線。
地域ごとの住民層の違い。
新築・閉店・街の変化。
配布員から上がる“現場の声”は、企業のマーケティングにとって貴重な一次情報だ。
誰よりも街を知り尽くした彼でも新築マンションの増加など日々の変化に驚かされる。
「街を歩くと、街の呼吸がわかるんですよ。」
この言葉に佐々木さんのプロフェッショナルを感じた。
ポスティングは、
まだ“終わっていない”
デジタル広告が届きにくい時代。情報が溢れ、ユーザーが疲弊する時代。
だからこそ、 「手で届ける情報」 の価値が再評価されている。
- 地域密着
- 生活導線に届く
- 物理的に“手に触れる”
- デジタルと組み合わせると
効果が跳ねる
ポスティングは、 “オワコン”どころか、 新しいマーケティングの起点になりつつある。
ポスティング業界が直面する“これから”
ポスティングは、アナログな仕事に見えて、いま大きな転換期を迎えている。
そのなかでも深刻な悩みが業界全体でのポスティング単価の向上だ。
単価を上げなくてはいけない背景には二つの理由がある。
ひとつは【デジタル化の波】だ。
携帯の位置情報をAIで解析するプラットフォームの導入、GPSによる配布管理(右図)、配布ログの可視化、QRコードを起点とした効果測定など、“配って終わり”ではなく データで改善する時代 に入っている。
もちろん、これらのDXを図っていくにはコストが発生する。
もうひとつは 【人材の確保】。
他業種の賃金上昇。請負型宅配サービスなどと同列で選ばれる職種になるには賃金アップが必須条件だ。
さらに、少子高齢化で日本人スタッフが減る中、業界全体では外国人採用が進みつつある。
ただし、言語・地図理解・ルール遵守など、教育体制の整備が求められているのが現状だ。
佐々木さんは言う。
「配布は判断の仕事。だからこそ、誰がやっても同じ品質になるよう、仕組みづくりがますます重要になっていくと考えています。」
アナログとデジタル、人と仕組み。
その両方を磨くことが、これからのポスティング業界の鍵になる。
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